企業CSR・社会貢献活動

花王株式会社

花王は、「よきモノづくり」を通じて、豊かな生活文化の実現に貢献できることを使命としています。"よきモノ"をお届けする事業活動とともに、よき企業市民として、社会に貢献することを目的に社会貢献活動に取組んでいます。

一本杉公園みどりの会

 東京都多摩市。一本杉公園みどりの会(以下、みどりの会)の活動場所である「一本杉公園内緑地・雑木林」は、1.9haの広い敷地で、最寄りの駅からバスで15分、都会から気軽に来られる。春や秋になると、昼食をとる人で賑わい、休日にはザリガニ釣りをしにくる親子もいる。
 今回、代表の鈴木保夫さんをはじめ6人の方からお話を伺った。

活動をはじめるきっかけ

 発足のきっかけになったのは、多摩市が2002年から行っている緑づくりを実践するきっかけの場としてつくられた、グリーンボランティア講座である。翌年の第2期の講座に参加し、1年間修了した人々が中心となって、みどりの会が作られた。講座に参加したきっかけは、「定年を機に何かやってみよう」「多摩市で働いてきたから、何か多摩市に役に立つことをしてみたい」など、さまざまである。
明るい光が差す森の中

一本杉公園の森の魅力

 公園内の緑地・雑木林は、竹林や常緑樹、落葉樹が多い場所など、植生調査により特徴別に5つの森に分かれている。みどりの会では、季節によって活動する場所を選び、伐採や整備などを行っている。「5つの森は、多様性に富んでいて毎回新しい発見があり、楽しい。」とみどりの会の方々は口を揃えて言う。貴重なタマノカンアオイやタマムシなども見ることができるそうだ。常に人々の癒しの一つになる公園にしていきたいとみどりの会は考えている。また、数年前からみどりの会が行っている活動がある。それは、地元の小学校の教育の一貫として、カブトムシを提供している。全員に渡すため200匹確保しなければならないが2,3年前からカブトムシの幼虫に必要な落ち葉が、気候の影響で時期がずれてきているため集めるのに苦労していると言う。しかし、必死に集めようとするのは、子どもたちの喜ぶ顔が忘れられないからだ。また、子どもたちからカブトムシの観察絵日記を感謝状としてもらうそうだ。「昆虫が苦手だったけれど、自分が育てることで好きになったなどという言葉を聞くと提供してよかったと思うし、生き物を飼うことの大変さや死んでしまう悲しさを学ぶことが子供たちの成長に役に立つだろう。」と松尾さん。これが、毎年続く原動力にもつながる。
一本杉公園みどりの会の方々とともに

木を切る、木を残す

 メンバーそれぞれは、木に対して様々な考えを持っている。斉藤さんは、グリーンボランティア講座で間伐が大事という話も聞いたがそれでも、「未来に残したいから、木は一本でもなるべく切りたくない。」と、木を切るのには抵抗があるそうだ。
 みどりの会が設立されて、10年。10年間の活動には紆余曲折があった。はじめの2、3年は、サカキが群生していて暗いところが多くあった。そのほとんどを伐採したことで、森が随分と明るくなった。この変化に、当時の市長が驚き、ボランティア活動に対するよい評価となったのではないかと鈴木さんは当時を振り返る。しかし、5年前には、「木をなんで切るの?」という市民の不満の声が行政に伝わり、木を切る(間伐であっても) ときには市に連絡をする決まりが作られたこともあった。先に、紹介した5つの 森のでは、間伐をすることで保つ森もあるが、そのままに残しておく森も作るなど、「状況に応じて進めていく。」と安永さん。現在は市との関係は良好である。今野さんは、木を切らないでほしいという市民の声に対して、「いくら説明をしても、全てが通るわけじゃない。しかし、説明をきちんとできるようにしようとしている。」と言う。

和気あいあいと

 メンバーは、今までやってきた仕事や入ったきっかけ、入会の時期なども異なっているが、賑やかな雰囲気である。松尾さんは、「午前中の作業が終わって皆で昼飯を食べて、言いたいことを言ってわいわいやっているときが、何より楽しい」と、みどりの会を続けてきたわけを振り返ってくださった。鈴木さんは、「あの人達が活動してくれたおかげでこの公園がきれいになったという話を聞くと活動の苦労も報われる。」と話す。
 みどりの会では今年、「森を美しくする作戦」といったスローガンを掲げている。切った枝などが急斜面の場所だったりするとどうしてもそのままになってしまうため、枝を再利用し片づけ、景観も良くしようと考えている。近年は、台風が来ると木の根が弱いため根こそぎとられる木々もある。全体の維持や都市型の環境を守るためには工夫が必要だ。みどりの会の言いたいことはためずに言いながら進めていくという気の置けなさをパワーに、これからも森とともに 歩んでいかれるのだろう。
活動に参加して-執筆担当:山田万莉菜(東京薬科大学薬学部) 最初の印象として都内なのに、こんなにも緑が残っている場所があるのだということに驚いた。取材に訪れた8月30日は、気温35度以上という猛暑だった。取材は、公園内にある今も残っている古い平屋の民家の中で行われた。風通しがよく涼しい風が入り、取材中は暑さも和らぐ思いだった。活動日は、大雨の次の日だった。その影響なのか暑すぎず過ごしやすい天候であった。午前中は、下草刈りや木を切る作業などスムーズに行うことができた。お昼は、みどりの会の10人程の方々と、レジャーシートを敷いて外で楽しく食べた。活動や取材を通して、元気いっぱいで明るく仲睦まじい会のメンバーの方々から、私自身が元気をもらい、一緒に活動をして楽しい時間を過ごせた。年末には、毎年恒例の餅つき大会を行うそうだ。元気な会の方々に会いに、また一本杉公園に足を運びたいと思った。
代表の鈴木さんと、写真右学生レポーターの山田